2017/03/12

これは、2009年5月5日14時14分に撮った写真。

祖母が週に2回ほどデイサービスに通い始めた頃だ。祖母が認知症になってから僕は季節ごとに里帰りしていた。この日は母方の祖母が遊びにくる予定だった。母が車で迎えに行ってる間、僕は祖母とふたりで留守番をすることになった。父は田んぼ仕事に出かけていたような気がする。

祖母はまだ僕のことを憶えていて、足腰も丈夫だった。この後、ふたりで近所をぐるっと散歩をした。散歩中なにをおしゃべりしたか忘れちゃったけど、祖母が〝デイサービスは大しておもしろくないけど仕方ないから行くんだ。〟と言ってたのは憶えている。僕が〝家にいるよりいいじゃん。〟と適当に返事したのも憶えている。いま、その散歩しているときの写真を見返しているのだけど、祖母はシャツのボタンをかけちがえている。当時の僕はそれに気がついていなかったんだなあ。

いまだったら話したいことがたくさんあるのに。今更そんなこと言っても遅いけど。

そういえば、祖母は僕が東京へ戻るときにはいつも5千円くらいのお小遣いをくれた。僕がいらないと言ってもきかなかった。両親は〝ばあちゃんはあげたいんだからもらっておけ〟と言った。僕は〝ありがとね〟と少し照れながらお礼を言った。でも、この里帰りのときは少し違った。祖母はお金の計算ができなくなっていて、おもむろに2万円渡してきた。僕が笑いながら〝さすがにこれ多すぎでしょ〟って祖母に返すと、〝そう?じゃあ、、〟と今度は420円をジャラっと渡してきた。〝なんか、すげー減っちゃったけど〟って家族で大笑いしたことを、この写真をみてたら思い出した。

いまだったら話したいことがたくさんあるのにって思うけど、そう思うんだったら、親とか妻とか友達とか、いま話せる人とたくさん話してるか?って、そんなふうに思った。